Jリーグ1stステージ:横浜Fマリノス×京都パープルサンガ(横浜国際)(00/05/06)


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<試合経過>

横浜Fマリノス 2 - 1 京都パープルサンガ

首位取りを目指す横浜と、チームの連敗脱出とカズのJリーグ通算100得点を目指す京都の試合は、チームの現状が如実にでる展開となった。

横浜は開始7分、中村のショートコーナーから三浦がダイナミックな切り替えしであっさりゴールをゲットすると、18分にはサンガのコーナーからカウンターで、松田がGKの頭を越す絶妙のループで2点目を決め、完全に試合の流れは横浜に…と思われた。

しかし、それ以降まったくペースダウンした横浜に対して、京都が攻勢をしかける。統制されたプレスで中盤を制圧すると、素早い出足で横浜ゴールを脅かす。30分過ぎに、中盤でインタセプトしたボールを、野口が中央にドリブルで切れこんでラストパス。これを右サイドで良い動きを見せていた熱田が確実に決めて、1点差へと追いついて前半を終えた。

後半の出だし、横浜が若干調子を取り戻したかと思われたが、それでも前半からの流れが変わることなく、効果的なプレスから攻める京都とどうにか守ってカウンターを繰り出す横浜という状況は変わらない。しかし、攻める京都も決定力を欠き、期待のカズも多くの決定機を決められないまま、横浜に守り通された形になった。

悪いなりにも勝てる横浜と、やってることは悪くないのに勝てない京都、それが如実に表れたゲームだった。


<Undoの目>

さて、今日の試合はちょっと着眼点をもって試合を観戦しようと思ってました。それは何かと言うと、「なぜ京都は勝てないのか」。いや、開幕前はそんなに落ち込む分けないと思ってたのに、フタを開けてみれば最下位ブッチギリという京都の現状が、やけに気になったわけでして。メディアを見れば、実に一貫性のないシステムだとか戦術だとか言われてたのでどんなものかとおもっていたわけですが…。

これがまあ、京都のサッカーはぜんぜん悪くないじゃない。チーム全体がまるで格子状に統制のとれたフォーメーションを守っていて、プレスをかけるところをきっちりとわきまえ、ボールを奪ったら確実にサイドの野口、熱田につないでサイドからの崩しを徹底。それに引き換え横浜といえば、相変わらずの個人の能力頼みの攻めと守りを繰り返すばかりで、最初の2点ゲットまではのんきに見ていられたけど、それ以降はハラハラの連続でした。そんな状態でこの結果…。それがサッカーといえばサッカーなわけですな。

で、京都なんですが、それなのに何がダメなのかと言えば…、やはり決定力ですかねえ…。カズもゴールが期待されてた割には、何回決定機を逃したことか。はっきり言って、横浜的には何回も息を呑む瞬間があったわけですが、決められたのは1回だけとは。この辺はもう、選手個々の問題と言えるような言えないような…。と思ったんだけど、やっぱりゴールへのアプローチに物足りなさがあるかなあ、とか。それとから気になったのが、点を取られた所、どちらもあっさりと無抵抗にやられている感じがしました。2点目の松田のゴールは俊輔の技ありパスのおかげともいえますが、1点目なんかは、アツに対してあっさりとやられすぎている。この辺の集中力の問題もあるのかなあ、と。失点も多いでしょ?今の京都って。
個人的には熱田選手とか期待してるし、面子も悪くないと思うんだよね。一つでも勝てれば、きっと流れはくる感じがするんだけどな。

それに対して横浜の体たらくときたら…。アルディレス監督が「こんなサッカーで優勝が狙えると思ってるのか!!」と激怒したらしいけど、見てるこっちも「こんなんで優勝できっかよー!」という感じでした。なんか攻守とも、プレーが個人の能力頼みに見えてしょうがないんだよな。1対1ならリーグでも屈指の面子が揃ってると思うけど、今回の京都のように統制のとれたシステム、戦術のチームに対して、まったくなすすべなくなっている。このへんの一つの要因に、FWの非力さがあるように思えてならない。言っちゃ悪いんだけど、何か横浜のFW陣て非力さを感じるんだよな。他の優勝争いをしているチームに比べると。エジミウソンはそれなりにゴールは決めるんだけど、割と中途半端なプレーに終始している感じ。外池は根本的に満足なポストプレーができていない。恐らくはポストの外池、スピードのエジミウソンという役割でこなして欲しいのだろうけど、なんだかどちらも頼りないポストプレーに終始してしまっていた。それを考えると柳の離脱はやはり痛い。ポスト、スピードどちらかのスペシャリストというわけではないけど、いろいろな意味での「強さ」があるもんね。後半、外池に変わって完全スピード系の木島が投入されて、アグレッシブなチャレンジが効果的だったけど、やっぱりまだまだプレーが軽い。そんな感じでFWのところで強さが感じられないから、中盤以降からの分厚い攻めができなくてガタガタに崩れていると思う。守備陣も、面子的にフィジカルの強いDFが揃っているからはじき返しているけど、攻撃能力が高そうな相手だとどうなるかわからない。優勝に向けて、現在最強の攻撃陣を誇ると思われるセレッソ大阪との試合を残しているのは大きいと思う。

1stステージは勢いで行けるかもしれないけど、もし、チャンピオンシップも狙っているなら、よりハイレベルのFWが必要だと思う。